さらば和室よ!!今までクソお世話になりました!!
2021.05.19
皆さんお久しぶり、平生の片隅でDIYに魂を売った男バスターです。
ついに始まってしまった老眼に戦々恐々しながら日々を過ごしております、早くドラゴンボール集めて不老不死にしてもらわなきゃ…
さて今回は築年数50年以上の家に住むDIYに狂った男が並々ならぬ想いを持って和室をリフォームしたときのお話をしようと思います。
1.和室をリフォームしようと思ったきっかけ
皆さん和室はお好きですか? 私はというと、誤解を恐れずに言わせてもらえば和室は好きではないのです。
和室愛好家の人に怒られるかもしれません、気を悪くさせるかもしれません、そんなことを言う奴のコラムなんて願い下げだね! 読んでやるもんか! と、憤るかもしれませんがちょっと待ってください。
せめてコレだけでも読んでから判断して欲しいです、私が歩んだ和室との歴史、その全てを!!
先程は和室が好きじゃないと言いましたが、概念としての和室は好きです。古き良き日本の文化、ゆったりとした時間の流れる癒しの空間、書道や武道などの芸事にも欠かせない存在と、その魅力は尽きることがありません。
皆さんにも似たような経験があるかもしれませんが、例えば古民家を改装したカフェや老舗の温泉旅館に行くとします。そこでは普段の生活の喧騒を忘れゆっくりとしたくつろぎの時間を過ごし、お腹も心も満たされ「また行きたいね」なんて言いながら帰路に着く…
あるいは子供の頃、夏休みや正月に帰省した田舎のおじいちゃん・おばあちゃんの家で過ごした普段の生活とは違う数日間のスローライフ、あまりにも楽しすぎて家に帰りたくないと駄々をこねて皆を困らせちゃったり…
それらの一体何がいけないのか? 素晴らしいじゃないかと思う方が殆どだと思います。
だけどその体験、その暮らしが良いものだと感じることができるのはそこに普段とは違う特別感を見出しているからなのではないかと思うのです。
普段の生活の中に『和』の要素がないから、たまに触れる『和』に心躍るのではないかと、生まれた時から和室オンリーで育った身としては強く思うわけです。
簡単に言うと洋室に対する極度のコンプレックスです。もし自分が吉良吉廣に矢で射られたとしたらスーパーフライの和室版みたいなスタンド能力に目覚めることでしょう。
それくらい歪に肥大したコンプレックスと向き合って生きてきました。
仕事で出張になって何の変哲もないビジネスホテルに泊まる時、最高じゃないかとテンションが激アゲになりますが皆さんで言うところの古民家カフェや老舗旅館が私にとってのビジネスホテルなわけです。
和室を憎んでいるわけではありません。洋室への憧れが強すぎて和室が好きではなくなってきた…が正しいです。
和室の良さも沢山あるとは思います。思いますが和室でずっと暮らしてきてそれなりに不便なところが見えてきました。幾つか紹介します。
まずは和室の和室たる所以である畳ですが、古くなってきた畳は色も褪せて見栄えが良くないし、劣化が進むと表面がささくれてきて足に刺さったりします。
何が悲しくて自分の家で過ごしているだけなのに足に刺さった畳の欠片を取り除く作業が発生するのか…非常に悲しくなります。
あとは砂壁や繊維壁、これも劣化すると悲惨なことになります。手で触れるだけでポロポロ取れますし、風が強い日なんか家が揺れる振動でポロポロと崩れたりします。
壁に寄りかかったりした日には触れた部分の繊維や砂が体に付きますし、付着したところがキラキラ光ってなんとも言えない気持ちになります。
よくテレビや雑誌なんかでキラキラした生活とかキラキラした暮らしに憧れる、なんてやってますが俺が本当のキラキラした暮らしを教えてやろうか?キイィーーーッ!!
すいません取り乱しました。和室への想いを語っていたらついヒートアップしてしまいました…以後気を付けます。
まぁ、今のままでも別に暮らしていけないわけじゃないから我慢すればいいだけなんですけど、当時中学に上がる前の娘が『これじゃ友達も呼べないよ…』と嘆いていたのを聞いた時、私は和室との訣別を心に決めました。
娘がそう思うのも無理はありません、同学年で築50年以上の家に住んでいる友達は居ません。思春期の女の子ですからそりゃ恥ずかしいに決まってます。
娘にこれ以上不便な想いをして欲しくないので何とかしなくてはいけません。本当は新築の家でも建てられたら1番良いのですが、中々そうもいかないものでして…甲斐性ない父親で申し訳ない。自分にできることと言えば、そう…DIYくらいしかないんだよおおぉーーーッ!! ということで、そうと決まれば早速取り掛かります。とりあえずリフォーム業者さんに見積もりしてみましたが和室から洋室へのリフォームはどこまでやるか、によって変動するんですが相場は一部屋30〜50万円くらいでした。
自宅には和室が4部屋ありますから、全てを業者に頼むととんでもない金額になります。
ここはやはりDIY一択です。腹を括りました。覚悟完了です。
2.下地
まず取り掛かったのは畳の撤去です。何かで固定してる訳ではなく、置いてあるだけなので簡単に取り外すことができます。
畳を撤去したら下地板が顔を出します。昔の家だからなのか、施工した大工さんが手抜きをしたのか、それとも下地板は元々こういうものなのかもしれないんですけど板と板の隙間が半端なかったです。
広いところは1cmくらい開いてました、そこから普通に地面が見えます。家の中にダンゴムシとか出現してたのが不思議だったんですが、その隙間を見て納得しました。そりゃダンゴムシも侵入してくるわ…と。
隙間を埋めるのは大変そうだったので下地板の上に防湿シートを敷いてタッカーで固定しました。これである程度の湿気を防いでくれて虫の侵入も拒めると思います。
ちなみにタッカーというのはラッシュアワーでお馴染みクリス・タッカーのことではなく、ホッチキスのデカくて強力なやつです。
もしDIYをテーマにした格闘マンガがあったとしたらタッカー使いは中々の強敵になると思います。それくらい強力にバチン!! バチン!! と固定することができます。
下地板の上にそのままコンパネを貼ると元々の畳の高さに足りなくなりますし構造的にも弱くなるので、ここに『根太』と呼ばれる木材で補強を入れていきます。
元の畳の厚さ(55mm)になるように後で敷くコンパネの厚み12mmとフロアカーペットの厚み5mmを引いた35mmの木材を使用しました。
12+5+35=52じゃねーか!! 足し算も満足にできんのか? あァン? と思われるかもしれませんがこれには訳があります。
新築の家でもない限り家というのはかなり歪んでいます。下地の板もご多分に漏れず歪んでいますので38mmの木材を使用してピッタリ55mmにした場合、高さの調整ができないので水平を出した時に元の畳の厚さを超えてしまって段差が生まれる可能性があります。
高さの調整はライナーと呼ばれる薄い板を低いところに入れて嵩上げしますので基準値よりも低い(短い)寸法でお考えください。
嵩上げは簡単ですけど逆に低くする場合は物理的に削り取らなきゃいけないので、下手したら材料の買い直しという最悪な結果にもなりかねませんので…
ちなみに私は高校の時に数学のテストで0点を2回取ったことがあるリアルのび太なので、前述の足し算も満足にできんのか? に関して言えばYES I AM! と言わざるを得ない!! チッ♪ チッ♪
そして根太と根太の間に断熱材のスタイロフォームという発泡スチロールの王様みたいなやつをはめていきます。カッターナイフで切ることができるので施工は簡単でした。
断熱材は有ると無いとでは全然違うので、できれば導入をお勧めします。どれくらい違うかというと『今のはメラゾーマでは無い…メラだ…』くらい違います。
現に、リフォーム後は床下からの底冷えするような寒さはなくなりました。断熱材のおかげだと思っています。
3.コンパネ貼り
スタイロフォームを敷き詰めたら今度はコンパネで覆っていきます。固定は皿ビスやコーススレッドと呼ばれる頭が平らで逆三角形のネジで行います。
基本的には畳1枚がコンパネ1枚と同じ大きさなのでお部屋の間取りに合わせてコンパネを用意してください。
コンパネにも種類があって、ホームセンターに行くと似たようなのが沢山あってどれを買えばいいか分からない方もいると思います。
こんなこと言うとアレですが、ぶっちゃけなんでも良いです。業者じゃないし、自分の家なのでコスト最優先で考えると安いコンパネが良いと思います。
コンパネはコンクリートパネルの略称で、コンクリートを流し込んで固める際に使用する型枠用の板です。構造用合板という建築用のちゃんとしたやつがありますが値段が高いので自分は購入したことはありません。
ちなみに以前、パソコンのコントロールパネルのことをコンパネと略す人に出会ったことがあるのですが違和感が凄かったです。
4.フロアカーペット貼り
腰壁の上からリメイクシートを貼り、床はフロアカーペットで仕上げました。当初はフローリングにしようと思ってたのですが、施工が大変そうなのと修理する時に部分的に直せないのでフロアカーペットにしました。
フローリングは板を重ね合わせて釘で打ち込んでいく施工方法なので1番奥のフローリングを取り替えようと思ったら手前から全部取らないと辿り着けないので、考えただけで嫌になります。
その点、フロアカーペットは汚れたり破れたりしたらその部分だけ簡単に外すことができるので、メンテナンスが非常に楽だと思います。固定も両面テープのみで済みますし、施工は簡単であればあるほうが良いのでフロアカーペット、キミにきめた!!
5.押入れをクローゼットに
押入れも改造していきます。押入れも便利ではありますが、洋服を掛けるクローゼットが欲しかったので中段にある板をノコギリやハンマー、バールのような物を使って強引に外しました。
壁を白く塗ったベニヤ板で塞ぎ、真ん中にハンガーを掛けられるようにステンレスのパイプを設置しました。
『結果』だけだ!! この世には『結果』だけが残る!!
リメイクシートという粘着性の壁紙を貼ることによりパッと見たら襖だとは気付かれないくらいにはなったと思います。
6.仕上げ
右側に見えるのがリメイクシートを貼ったドアで真ん中にあるのは備え付けのタンスを撤去してオシャレな暖簾で目隠しをしました。
見た目を変えるという効果は素晴らしいものがありますね。部屋自体の間取りは一切変わってないのですが違う部屋に来たような感覚さえあります。
7.まとめ
ということでDIYにより洋室風な部屋として生まれ変わった元和室です。途中の画像はありませんが砂壁は撤去せずに全て上からペンキで塗っています。
今回リフォームをしたのは8畳のリビングなのですが、掛かった費用は約8万円、施工日数は金曜の夜から徹夜してそのまま日曜まで掛かりました。
DIYでリフォームをしたら費用を安く抑えられるような気がしますが、実際に抑えられるのは業者さんの人件費くらいで材料費は普通に発生しますので約1/3という費用を安く見るか高いと見るかは個人差があるとは思います。
でも、こうして素人なりに和室から洋室へのリフォームを行ったことにより自分の中で経験値が溜まって以前の自分よりもちょっぴり成長できたような気がして良いと思ってます。
娘も喜んでくれました。中学に上がってから友達も家に呼んでくれました。
その様子をキモがられないギリギリの距離感でこっそり眺めて一安心してました。
友達が家に来るなり『やーい! お前んち、オッバケやーーしきー!!』とか言い出さなくて良かったと心から思います。
残りの3部屋もリフォーム済みですので、また別の機会にでも紹介できたらと思っております。長々とお付き合い頂きありがとうございました。