えっ?トイレのリフォームをDIYで?出来らぁっ!!
2020.07.13
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突然ですが、皆さんトイレは好きですか? 私は好きです。あの適度な閉塞感、誰にも邪魔されることのないプライベート空間、心休まりますよね。まるでファーストクラスのような居心地の良さ…
そんな快適空間でなければならないはずのトイレが貴方にとって快適ではなかったとしたら? 心休まるはずの空間が逆に心が落ち着かない精神状態になるような空間だったら?
それは今すぐになんとかしなければなりません。日々の生活においてトイレの占める役割というものはとても重要なものだと思っています。今回は、そんなトイレのリフォームを自らDIYしたときのお話をしようと思います。
※画像の中に便器や施工前の床の画像が出てきます。それらを見て不快な気持ちになられる方もいらっしゃると思うので予めお伝えしておきます。ご了承ください。今すぐ帰るんだ!! ここに来ちゃいかん!!
CONTENTS
1.きっかけ
まずはお詫び申し上げます。冒頭に「まるでファーストクラスのよう」との記載がありましたが私自身はファーストクラスに乗ったことはありません。見栄を張ってしまいました。ただファーストクラスと言ってみたかっただけなのです。本当に、申し訳ございませんでした。
さて、トイレのリフォームを何故やろうと思ったのか? それは話せば長くなりますが、以前にも書きましたように私は祖父が建てた築50年以上の家に住んでいます。
祖父、祖母と共に同居していた頃は家のことに関しては何も言わなかったのですが、数年前に祖父が亡くなり、後を追うように同じ年に祖母も亡くなりまして、家を継ぐ形で今の家の世帯主になりました。
今までは祖父に遠慮して何もしてこなかったですけど、これから先私達家族が生きていく為にはやはりある程度の利便性は必要だと思い、家のリフォームを決意しました。
DIYに拘る理由は、簡単に言ってしまえば『お金』です。なんせ築年数が半端じゃないので全てを業者に任せてしまうととんでもない金額になってしまいます。
それこそ新築で家が建つのと変わらないくらいの金額です。
それに、全てを業者任せにしてしまうのは祖父が建てた家が全く違うものに変貌してしまう気がして嫌だったのです。
小さい頃からの思い出がたくさん詰まった我が家ですから、リフォームするなら自分の手で、どうしても自分で手に負えないことになったら業者に頼む…というルールを決めて、まずは比較的小さな空間であるトイレのリフォームから始めようと思いました。
小さいから1人でもなんとかなるだろう…という甘い考えの元で始めたトイレのリフォームですが、やっていくうちに色々と勉強になりました。
2.壁!タイル!小便器!
お分かり頂けただろうか…では一つ一つ解説していこう…
まずは繊維壁なんですが、白っぽい何かが壁一面に付着していますよね。これは自然素材を使用した塗り壁の一種で調湿効果があり、殆どの昔の家には使われているんじゃないかと思います。
この繊維壁、厄介なことに経年劣化で表面処理が朽ちてきて触るとポロポロと剥がれてしまうんですよ。埃とはまた違うキラキラした繊維が床に落ちていたり、いつの間にか気が付けば衣服や体にもキラキラ繊維が付いてたりします。
「わぁ〜、まるで家の中が宝石箱みたいや〜」なんて素敵なものではなくて、ただただ掃除が面倒なだけです。
なので、まずはこの繊維壁をなんとかしようと思いました。
繊維壁は霧吹きで湿らすと簡単に削ぎ落とすことができます。全体に吹くのではなく、剥がしたい箇所に集中して吹いて少しずつ剥がしていくのが良いと思います。
綺麗に繊維を剥がすことができたら、次に壁を塗装していきます。塗装に関しては特に難しいことはないんですけど、塗ってはいけない(塗らなくても良い)箇所には養生をして、塗料が付かないようにしましょう。
塗る回数ですが、一回目はどうしてもムラになるので最低でも2回は塗った方が良いです。出来れば3回塗れば綺麗な塗装面に仕上がるので時間の許す方は3回塗りをオススメします。
塗料には水性塗料と油性塗料がありますが、家の中のDIYで使う分には水性塗料が良いと思います。希釈は水でOKですし、油性塗料に比べて比較的臭いが少ないので塗料独特の臭いで気分が悪くなる人は水性一択と言っても良いと思います。逆に屋外で塗装する場合は雨に強い油性塗料を使った方が後々塗り直しが少なくて良いと思います。
次に昭和感丸出しのタイル壁と男性用小便器をなんとかしなきゃいけません。
タイルはまだ良いとしても小便器がある家庭は多くないと思いますが、子供の頃はこれがスタンダードだと思ってたので何の疑問も抱かずに生きてきました。
お店だって大便器と小便器に分かれてるじゃん、何で他の家では便器が一つなの? って本気で思ってました。だけど曇りなき眼で真実を見たとき、バスター少年は少なからず自分の家がマイノリティーだったことにショックを受けたのだった…
という訳で、少年時代の苦い思い出と共に小便器を取り外しました。そこにはもうあの頃のバスター少年はいません。青いツナギがよく似合う中肉中背のアラフォーがいる、ただそれだけです。
次にタイルなんですが、どうするか考えた結果木材で覆って見えなくしようと思いました。
俗に言う【臭いものに蓋作戦】です。物理的にタイルという存在を消せないのなら見えなくすれば良いのです。見えないということは存在しないのと同義です。♪オバケなんてないさ、と同じです。
木目調のリメイクシートを貼ったベニヤ板を下地となる木材に打ち付けます。後はベニヤ板の端部を茶色く塗装した木材で目隠しすれば、これでほぼ完成となります。
後は小物関係を作っていきます。
トイレットペーパーホルダーの完成でございます。市販品でも似たような物がありますが、自分で作ると安いし愛着も湧きます。
最後に100円均一で見つけた適当な置物を適当に配置してみました。コンセプトも何もあったもんじゃないけどスペースが余ったので賑やかしに…一応これでトイレの内装のリフォームは完了となりました。
費用は2万円いかないくらいだったと記憶しております。
3.便器本体の交換
トイレの内装のリフォームを終えて2年後、ついに便器本体が故障してしまいました。製造年月日を見たら既に10年以上経過していたので寿命だったのかもしれません。
水を流すレバーが空回りしたり、何かに引っ掛かったような感じになってレバーが動かない時もありました。
汎用品の交換用レバーを購入して何とか誤魔化しながら使ってきましたが、先日、タンクから水漏れも発生しましてこれはもう交換するしかないな…と思ってまずは業者に見積もりをしてもらいました。
流石に便器の交換となると経験無いですから業者に任せるのもやむなし…といった感じだったんですけど見積もりしてもらった金額が約10万円で、そのうちの作業工賃が5万円だったので、そりゃあちょっと高過ぎなんじゃないの? 5万あったらHGネオジオングとHGデンドロビウム買えるやんけ!! と憤り、そのままの勢いで便器のセットを楽天でポチってしまったのであります…
ここまできたら覚悟を決めなければなりません。事前に大工の友人に聞いたところ「大丈夫大丈夫、パッと外してポンと置いてキュッてやればOKよ、たぶん」と、とてもありがたいアドバイスを頂きました。持つべきものは頼れる友人だね!!
嘆いても仕方がないので作業を始めていきましょう。まずはタンクに繋がっているホースの元バルブを閉めます。マイナスドライバーなどの先端が平たくなっている物を差し込んで回してください。
バルブを閉めたら今度はレバーで水を流し、タンク内の水を空っぽにします。最後に残った便器内の水を灯油のシュポシュポ(正式名称何て言うの?)で吸い出します。
ここまでやっておかないと、便器を外した時にトイレ内が水浸しになってしまいます。必ず行いましょう。
基本的に便器はボルト&ナットで接続されているので、ナットを緩めたら外すことができます。陶器で出来ているので相当重量があるから持ち上げるときは十分注意してください。
取り外すことができましたら新しい便器と下水管とを繋ぐジョイントパーツを地面に固定しなければなりません。全く同じ型の便器と交換する場合は古いジョイントパーツが流用できますけど、そうでない場合は交換が必要です。
自宅の場合は床がタイル(コンクリート)ですので普通のビスではねじ込むことができません、そこでコンクリートにネジを効かす為のコンクリート用のプラグを使います。
画像の青いプラグをまずはコンクリートに埋め込まなければいけません。そこで登場するのがどこのご家庭にもある振動を与えながら回転し、コンクリートに穴を開けることができるハンマードリルです。
コンクリートドリルを使用するときはヒラリヒラリと舞い遊ぶアゲハ蝶のようにコンクリートの粉が舞うので、マスクをしたり掃除機で吸いながら穴を開けると良いです。穴を開けることができたらプラグを差し込み、その上にジョイントパーツを乗せてビスで固定していきます。
ちなみに古いジョイントパーツの穴とは縦方向で数mmズレていました。同じジョイントパーツが使えるなら穴も開け直さなくていいので、もし交換を考えている方は互換性も含めて調べてみてください。
ボルト穴が4つあるのにも関わらず2本しか固定されてませんが、説明書にも後ろ側2本だけしか穴を開けていなかったし、そもそもボルトも2本分しか付属されていませんでしたので2本で良いのだと思います。何かモヤっとするけどね…
後は外したときと同じように逆の順番で設置していけば取り付け完了です。
一人でやって2時間くらいでしょうか。友人の言う『パッと外してポンと置いてキュッ』の意味が何となく分かったような気がします。
元々の画像と比べたら全然印象が違うと思います。冗談抜きにトイレに行くのが楽しくなりました。以前のトイレはお世辞にも綺麗とは言えず、気分も良くありませんでしたが、今では一日中ここで過ごせるんじゃないかと言うほど魅力的な空間に仕上がっていると思います。
まぁ、実際に一日中トイレに篭ってたら家族に体調不良を疑われるだけなんですが…
4.まとめ
如何でしたか? トイレのリフォーム、こうやって振り返ってみると意外とできそうな気がしてきませんか? え? しない? マジで? え?
皆さんも何かご自宅でリフォームを考えるとき、業者に頼むのも良いと思いますが、ご自身でできる、又はできそう、といったところはDIYでやってみるというのも一つの手だと思います。
自らの手で家を直すことによって愛着が湧きますし、時間は掛かるかもしれませんが費用の節約にもなります。
せっかくだからその浮いたお金でネオジオング買って一緒に遊ぼうぜ!! おじさんとの約束だよ!!