困った時に一番初めに頭に浮かぶ顔でありたい。
2020.07.02
下松市花岡。この町にある電器屋さん『山県電器』代表の山縣 永太郎さん。
町の電器屋さんってどんな仕事をしているの? そんな疑問から始まった会話は、想像以上の話へと発展していきました。
山県電器の歴史と幼少期の永太郎少年
― 山県電器さんの歴史と、永太郎さんの幼少期について教えてください
昭和23年に創業しました。僕の祖父の時代です。
僕は幼いころからドライバーを持っていたみたいで、とにかく物をいじって遊ぶのが好きだったようです。
小学生のときに、父親の見よう見まねでお客さんの家の扇風機を直したこともありました。今となっては怖いことしてるなぁと思いますが(笑)
あと、プラモデルを作るのが好きでしたね。父親が、おもちゃ屋さんの近所に住んでいらっしゃるお客さんの所へ修理に行くと聞けば、付いて行って帰りにおもちゃ屋さんでプラモデルを買ってもらったりしていました。
田んぼでも遊びましたよ。木の根っこをドライバー代わりに、稲を刈った後の株をピンにしてゴルフをしたことを思い出します。
町の電器屋さんのお仕事内容
― 町の電器屋さんのお仕事内容を教えてください
簡単に言うと営業、修理、工事ですね。
とにかく、お客様の依頼に応じて何でも対応します。電器関係のお困りごとがあればフットワーク軽く出向いて、スムーズに修理する。とにかく安心感を感じてもらえる仕事をしたいと思っています。大型店との違いは、地域のお客さまと密な関係を築くことができること、そこが強みだと思っています。商品をご購入いただいた後のアフターケアにも自然と力が入ります。
ご年配の方も多いので、頼っていただけるのはうれしいことです。とあるお客さまに呼ばれて行ってみると「電話帳が台の裏に落ちたので拾ってほしい」という内容だったこともありました(笑) 電器と直接関係無いことであっても
「困った時に一番初めに頭に浮かんだ顔が僕の顔」
ということが嬉しいです。
地域活動について
― 永太郎さんが行われている地域活動についてお聞かせください
地元花岡地区を盛り上げる「花岡のまちづくりを進める会」の代表をさせていただいてます。この会では、婚活イベント「花コン」や「駅前コンサート」、地元の金分銅酒造株式会社様の酒蔵を使って「酒蔵コンサート」を開催したりと、さまざまな活動をしています。
また、花岡公民館の運営委員もやらせていただいてます。
花岡ふれあいまつりでは、「電動トーマス号」が活躍します。
― 電動トーマス号?
はい。使わなくなったシニアカーがあったので、これを使って作れないかなと考え、試行錯誤を重ねて作りました。ちょっと見てみます?
これなんですけどね。子どもたちを乗せて、大人が後ろについているハンドルを操作して操縦するので安心です。本来、前に付いていたハンドルを外し、後部で操作できるように改造しました。
こちらの電動トーマス号は、無料で子どもたちに遊んでもらってます。
他のイベントなどでも使っていただいて構わないので、もし使いたいという方がいらっしゃいましたら、無料で貸し出しますよ。
また、末武中学校のコミュニティースクールにも参加しています。コミュニティースクールは保護者や地域住民が生徒と一緒になって活動できる場です。そこで、スクールのシンボルでもある「末 武士(すえ たけし)」くんのミニフィギュアを作ってみました。
― 地域活動に参加するきっかけは何だったのでしょうか?
地元の消防団ですね。そこで、いろいろな方との出会いがあり、もっといろいろな人と出会いたいという思いから、様々な地域活動団体に所属するようになりました。
フィギュア作りについて
― え!? これ、自作なんですか!?
はい。自分で作りました。末 武士くんシリーズは、他にもボールペン、キーホルダー、かぶり物などを自作しました。
末 武士くんのかぶり物をかぶって体育祭に参加したりもしました。派手にコケて、かぶり物のアゴ部分を破壊してしまったのも思い出です。
『末 武士くんフィギュア』は販売も行い、その売上で末武中学校に花を植えるなど、環境整備を行ったりもしています。また、台風19号の被害が出た際には、売上全額を寄付しました。フィギュア作りがこうした活動の一環になっているのは嬉しいことです。
― フィギュアを作り始めたきっかけは何ですか?
初めてフィギュアを作ったのは、今から15年前です。
とある釣り番組で、オリジナルルアーを作ろうというのをやっていて、それを観たときに、応用してフィギュアを作ってみようと思ったのが始まりです。
一番初めに作ったのは花岡地区の「きつねの嫁入りフィギュア」でした。
最近では、下松市のマスコットキャラクターである『くだまる』のミニフィギュアも作成しました。「国民宿舎大城」「笠戸島家族旅行村」にて500円(税別)で販売しています。皆、買ってね(笑)
今後は「牛骨ラーメン」や「笠戸ひらめ」を持ったバージョンのくだまるを作成するなど、シリーズ化していけたらいいなと考えています。
これからの目標
― これからの目標について教えてください
これからは若い世代の人たちにどんどん活動してほしいですね。そうなるために、若い人が興味を持つような面白みのある活動をして、どんどん発信していきたいです。
公民館の行事は3世代が楽しめる行事です。そのため、町が賑わうには若い人が積極的に公民館に関わることが大事だと思っています。そして町を育ててほしい。幼い子どもたちが地域のお祭りやいろいろな催しに参加して、楽しい体験をしてほしいです。かつて幼い自分がそうであったように。
下松市在住
(株)山県電器
山縣 永太郎(やまがた えいたろう)