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病気でしんどい時に出会った一枚のピッツァで、未来が変わった。

2021.03.26

 岩国市今津町。山口県ではまだ少ない『真のナポリピッツァ協会認定店』として多くのお客様に人気のお店、『ピッツェリア・ダ・ハチ』さん。
今回は、その店主である八百屋太一郎さんにお話を伺ってきました。
一枚のピッツァから始まった物語。そこには、壮絶なドラマがありました。


ピッツェリア・ダ・ハチ、その名前の由来


イタリアで使われている物と同じ薪窯が据えてあるピッツェリア・ダ・ハチさん
かわちゃん
かわちゃん

ピッツェリア・ダ・ハチさん。お名前がとてもキャッチ―ですが、由来は何ですか?

八百屋さん
八百屋さん

僕の名前ですね。「八」百屋の8です(笑)

かわちゃん
かわちゃん

じゃないかな、と思いました(笑)
とてもキャッチ―で親しみやすいお名前ですよね!

 呼びやすく、覚えやすい名前のハチさん。
店主のお名前は八百屋さんなのに、ピッツェリアというのも面白いですよね。

 さぁ、そんな八百屋さん。そもそも何故ピッツェリアを営もうと思ったのでしょうか。


なぜお店をやろうと思ったのか


ピッツァを作る八百屋さん
かわちゃん
かわちゃん

ピッツェリアをやろうと思ったきっかけは何ですか?

八百屋さん
八百屋さん

身体が一番辛かった時に食べたナポリピッツァに感動したのが理由です。

かわちゃん
かわちゃん

自分もお店を始めたいと思うほど衝撃的な美味しさだったんですね!身体が一番辛かったという状況が、より一層そう思わせたのかも知れませんね。ともかく、その出会いがきっかけだったということですね?

八百屋さん
八百屋さん

はい。そうですね。
身体が一番辛かったというのが、実は僕『ベーチェット病』という持病がありまして。その病気でとても辛い時期だったんです。
その時に食べたピッツァの味に感動しました。

 1枚のピッツァが与えた感動が開業の原動力となった八百屋さん。
しかし、そこには他の要素も相まっていたようです。
『ベーチェット病』も八百屋さんの人生を語る上で外せないキーワードのようですね。


八百屋さんと『ベーチェット病』


ベーチェット病について語る八百屋さん
かわちゃん
かわちゃん

『ベーチェット病』・・・耳にしたことはあるのですが、具体的な症状を知りません。
差し支えなければ、病状についてお伺いしても良いでしょうか?

八百屋さん
八百屋さん

はい。大丈夫ですよ。
『ベーチェット病』は口内炎が大量にできたり、関節の痛み、腸に潰瘍ができやすくなるなどの他、疲れやすくなったりもする指定難病です。
若い頃から体調の悪さはありましたが、まさかそのような病気だとは知らず、どうにか頑張っていました。

かわちゃん
かわちゃん

指定難病を抱えながら、気力で頑張られていたんですね。
若さゆえというか、何というか。ガムシャラだったんですね。

八百屋さん
八百屋さん

そうですね(笑)
熱が続いたり、痛み止めを飲みながら働いていました。
いよいよ35歳の時に動けなくなりまして、それこそ包丁やフライパンが持てないほど身体が辛くなってしまい、入院しました。
その結果、『ベーチェット病』という病気であることが発覚したんです。

かわちゃん
かわちゃん

痛みと戦いながら動けなくなるまで頑張るなんて、かなり壮絶ですね。
それまでも、通院はされていたのですか?

八百屋さん
八百屋さん

はい、熱も下がらなかったり、物も食べれないような状況になっていたので、これはおかしいと思い通院していたのですが、なかなか病名が発覚せず、という感じが続いていました。

かわちゃん
かわちゃん

身体が辛くて、しかも何の病気かわからないまま、それでも毎日頑張らないといけないなんて相当辛いですよね。今は少し落ち着かれたのでしょうか?

八百屋さん
八百屋さん

4〜5年の間に4回の入院はありましたが、今は注射を打ちつつ、病気と上手に付き合っています。
治療法が無いので、前向きに上手に付き合っていくしかないな、と。
逆に、病気のおかげということもあって。
『やりたいことをやらないと!』という思いになりました。『今、やらないと!』という焦りが後押ししてくれて色々と頑張れたと思います。

 『ベーチェット病』による壮絶な体験をされた八百屋さん。今尚、闘病は続いていますが『病気のおかげ』と思えることもあるそうです。
大変な思いをされている中で、そう思えることとは一体何なのでしょうか。


病気が教えてくれたこと


元気にピッツァを焼く八百屋さん
かわちゃん
かわちゃん

お話を伺っていると、病気のおかげと捉えていらっしゃるのが凄いなと感じました。
そのように前向きな力に変換できるのが凄いと思います。
そんな八百屋さんですが、いろんな経験を経て、今心掛けていることなどはありますか?

八百屋さん
八百屋さん

自分は割と真面目な性格だと思うのですが、それもあって色々と頑なだったと思います。
今は、病気と上手に付き合う余裕を持てるようになりました。
仕事についても無理な営業はせず、家族を一番に考えた生活を送っています。

かわちゃん
かわちゃん

病気が自分の人生を見つめなおすきっかけになったということですね。
あと、家族と言えば八百屋さんはフレンチブルドッグと一緒に暮らしていらっしゃいますよね。お店のロゴにもフレンチブルドッグが使用されているので、思い入れが強いことがわかります。

八百屋さん
八百屋さん

そうですね。フレンチブルドッグは切っても切り離せない大切な家族です。初代は20年以上前から可愛がっていまして、2匹目は虐待されていた子を引き取りました。今では3匹目を家族に招き入れました。
人生を共にしてきた、とても思い入れがある子たちです。

 病気と向き合うことで、様々なことに前向きに取り組めるようになったと語る八百屋さん。お話から、家族との時間を大切にされているのが伝わってきました。そんな八百屋さんですが、病気を患ってから感じていた「やりたいことをやらないと」「今やらないと」、そんな気持ちに後押しされ「真のナポリピッツァ協会」認定店の称号獲得に向け挑戦をされました。そしてついに「782」番の認定番号をいただくことになるのです。


『真のナポリピッツァ協会』認定店


真のナポリピッツァ協会認定番号『782』
かわちゃん
かわちゃん

ハチさんは、山口県ではまだ多くない『真のナポリピッツァ協会認定店』になられてますよね。なかなか認定されるのは難しいと聞きましたが、挑戦し続けることができたのも、今回お話を伺ったような背景があったからこそだったのですね。

八百屋さん
八百屋さん

そうですね。病気のこともあったので、とにかく悔いの無いように頑張ろうと思いました。いろいろな方に支えていただいて、『782』番目の認定番号をいただくことができました。

真のナポリピッツァ協会とは

この協会は、ナポリに古くから伝わる職人の伝統技術を正しく後世に伝えることを目的としています。
そのためナポリピッツァの作り方に関する緻密な基準が設けられており、それを全てクリアし、正真正銘のナポリピッツァを提供していると認められたピッツェリアのみが認定店として認められます。厳しい認定条件をクリアした認定店には世界共通の通し番号が与えられます。

本場と同じ、ピッツェリア・ダ・ハチのマルゲリータ
かわちゃん
かわちゃん

日本にいながらナポリと同じクオリティのピッツァが食べられるというのはお客様からしたらとても嬉しいことですよね。

八百屋さん
八百屋さん

お客様に喜んでいただくために、一枚ずつ丁寧に心を込めて作らせていただいてます。
ぜひ、本場の味を楽しんでいただきたいです。

店内には認定書が飾られています
火加減も重要です
マリナーラ
D.O.C(ドック)
笑顔の八百屋さん

 たくさんの方に愛されているハチさんのピッツァ。本場の味を提供するために、練習に次ぐ練習を重ねられたそうです。その技術の体得は簡単なことではなかったと思いますが、挑戦し続けることができた理由が今回わかりました。

一枚のピッツァから始まった『ピッツェリア・ダ・ハチ』の物語。
ぜひ、あなたも想いのこもったピッツァを食べに行ってみてください。

岩国市在住
ピッツェリア・ダ・ハチ
八百屋 太一郎(やおや たいちろう)

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この記事を書いた人

かわちゃん

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占いで「食べ物の神様」が味方だと言われました。 好奇心も食欲も旺盛です。下松市在住。