鹿野の空気をお持ち帰り『子たぬきのパン』
2021.05.31
こんにちは、 まっちWEBライターのなっちゃんです。
前回は山口県産小麦『せときらら』について特集しました。
記事を読んで、
「『せときらら』の魅力はわかったけれど、一体どこで県産小麦のパンが食べられるの?」
とパン屋さんを探されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな皆さんに朗報です。
今回は山口県産小麦『せときらら』を使用したパンが食べられるベーカリーをご紹介します。
第2弾は、鹿野にある『子たぬきのパン』さん。
おいしい空気とお水が生み出すパンは、食べるたびに鹿野の風景を思い出します。
そんな『子たぬきのパン』のオーナー、うめざわさんに県産小麦の魅力を教えてもらいました。
1.『せときらら』が人生を変えてくれた
鹿野の山奥にお店を構える『子たぬきのパン』さん。
可愛らしいたぬきに迎えられ道をあがっていくとお店に到着します。
1時間程の取材の間にお客様が何組も来られていて、楽しそうにうめざわさんとお話をされていました。
お客様はおいしいパンを買うだけでなく、お店で過ごす時間までも楽しまれているようでした。
こちらでは全て山口県産の小麦『せときらら』を使用したパンを販売されています。
全種類を『せときらら』で製造しているパン屋さんは少なく、小麦本来のおいしさが味わえます。
うめざわさんに「小麦は『せときらら』のみを使用する」と決めている理由を聞いてみました。
「『せときらら』が人生を変えてくれたんです。福岡でカレー中心のレストランを10年経営していましたが、いつも忙しく息をつく間もない日々でした。もっとおいしい食材があるのに もっと食べてほしい料理があるのに と悩むことが多かったです。もちろん料理は心を込めて一生懸命作ってはいたけれど、心の中でこれじゃないと悩んでいたことも。そうした中で、おいしいと言われることに罪悪感がありました」
そんな時に出会った『せときらら』が人生を大きく変えたそうです。
「『せときらら』に出会わなければ、パン屋を開くことはなかった」
と語るうめざわさん。
パン屋を開きたいとまで思わせてくれたおいしさについても聞いてみました。
「しっとり肌に馴染む味で、どの副材料と合わせても馴染んでくれます。たとえるならば白ごはんのようなおいしさです」
その味わいに触れ
「『せときらら』でこんなパンを焼いてみたいと想像が膨らみ、以前のようなアウトプットではなくインプットの可能性を秘めている『せときらら』を使いたい」
その想いは日々強くなっていきます。
さらに福岡で10年間暮らし「本当においしいと感じるものは故郷の鹿野にある」と確信したうめざわさんは、福岡に家族を残し単身で地元に戻り『せときらら』を使ったパン屋を開くことを決めました。
2.『鹿野』の宝物はそこに住む人
福岡から戻られたうめざわさんに、改めて鹿野の良さについても聞いてみることに。
「食材やきれいな空気・水に恵まれ、誇るものはたくさんあります。でも、私は1番の魅力は人だと思っています。鹿野に住む人がこの街の宝です。住んでいる人は何もないと言うけれど、この街には輝いている人がいます。それこそが1番の財産です。みんな私なんてって言うけれど、鹿野には誰かのために何かをしたいという輝きを持った人が多くいます。そういった人たちにいつまでもキラキラ輝いていてほしいですし、その輝きをみんなに知ってもらいたい。」
そう語るうめざわさんの表情は明るく、話にどんどん引き込まれました。
「鹿野で輝く人にもっとスポットを当てたい」
という考えの下、店内の2階にギャラリーも併設されました。
鹿野地域や近隣に住む人々の作品をギャラリーに展示することで、
「鹿野にはこんな素敵な人がいる!と気づいてもらいたい」
と教えてくださりました。
そんな風に話すうめざわさんは、「鹿野で暮らす人を増やしたい」と思い、今日もパンを焼いています。
さらに鹿野の豊かな環境や、食材についてもお聞きしました。
3.「地産地消」は「地元で地元の経済を回す」こと
鹿野は食材が多く「こんなパンがつくりたい」と思わせてくれる環境だそうです。
実際に店内にあるパンは鹿野をはじめ、山口県産のものが殆どです。
たとえば、県産小麦の味わいがわかりやすい『丸太食パン』は、牛乳、はちみつ、塩など殆どの材料が山口県産です。
他にも、鹿野のブロッコリーを茹でた『フーガス』や、鹿野ファームの豚肉ミンチが使われた『キーマカレーパン』など地元の食材を使い、パンを作られています。
「地産地消は地元食材を食べることだと思われているけれど、本当はそうじゃないです。私は地元で経済をまわすことだと思っています」
そう語るうめざわさん。
魅力を伝え守っていくためには、地元の経済を潤わせることは重要です。
鹿野の食材を生地に織り交ぜパンを焼くことで、地元経済にも貢献されています。
レストラン経営の経験を活かして作られた、県内産の食材と『せときらら』を組み合わせた独自のパンは、他では食べられないオリジナル性があります。
『筍とチキンのパン』や『季節の野菜を使ったピザ』『カレー屋さんが本気を出したカレーパン』など・・・。
パンと言うよりは、うめざわさんによる「鹿野を感じる料理」のようです。
私は『キーマカレーパン』をいただきましたが、甘さも感じられるカレーに『せときらら』がよく合います。
ライスのように『せときらら』が自然に馴染むので、カレーパンのようなカレーライスのような味わいでした。
『せときらら』のモチモチした食感のおかげで『キーマカレーパン』1つでかなり満腹感がありました。
「何にでも合う白ごはんのような味わい」と説明してくださった意味がよくわかりました。
さらに、こだわりは素材だけではありません。
写真のパンは、食べるのがもったいないくらい可愛らしい動物の形をしています。
実は動物の形にしているのも理由があるそうです。
パンの形がとっても可愛いですね!どうしてこの形にされているのですか?
動物の形をしたパンには『はったい粉』を使っています。
最近『はったい粉』を食べる習慣があまりないので、可愛らしい形にすることで、子ども達に『はったい粉』を食べてもらえたらと思い、パンを動物の形にしています。
こだわった素材を食べてもらうために、見た目にもこだわっている『子たぬきのパン』さん。
はりねずみの『ハリーくん』や『子たぬきのメロンパン』はパーツが細かく、1匹ずつ表情も違います。
思わず連れて帰ってしまいたくなります。
1番端にあるカメの『カメロンパン』は鹿野産きな粉を使用していて、とっても可愛い見た目です。
うめざわさんや生産農家さんなど、たくさんの人の想いを生地に込めて作られたパンは、自然や住む人の優しさを感じられます。
4.まとめ
『子たぬきのパン』さんは、鹿野の良さをパンに変えて持って帰ることができるお店です。
毎日忙しく頑張っていると「ふー」と一息つきたくなりますよね。
そんな時は『子たぬきのパン』さんがある鹿野に出かけませんか?
鹿野に出かけると、1番の魅力である「住む人の笑顔や優しさ」に触れることができ、こわばっていた体と心がほぐれていきます。
皆さんも『子たぬきのパン』さんでパンを買い、ゆったり過ごしてみてくださいね。
また、うめざわさんの言われるように鹿野にはたくさんの輝いている人たちがいます。
ぜひ、こちらの記事も読んでみてくださいね。